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2015年5月28日

当院の登山者健診担当の川本医師が先日「夕刊フジ」の取材を受けて記事に掲載されました。

元記事:「山の健康トラブル 脱水、膝の負担にご用心」(夕刊フジウェブサイトZAKZAK)

以下、全文です。

山の健康トラブル 脱水、膝の負担にご用心

スクリーンショット 2017-08-12 13.42.14.png新緑が気持ちいいシーズン。登山やハイキングに出かける人も多いと思うが、中高年の慣れない山歩きは健康トラブルに十分注意したい。特に生活習慣病など持病をもつ人は、自分の体の状態に見合ったコースを選ぶことが大切だ。

 【体力低下の認識を】

 長野県の調べでは、登山者の6割が中高年、遭難者の8割が中高年だ。山で体調不良が起こると滑落や転倒を起しやすく、それが遭難に直結する。藤寿会佐藤病院(東京都荒川区)で登山者検診を担当する川本雅司医師(日本登山医学会認定山岳医、帝京大学医学部教授)は、「カムバック登山者ほど危ない」と指摘する。

 「若い頃に登山経験が豊富でも、継続していなければ現在の体の状態は別ものと思った方がいい。そのギャップを認識していないと遭難につながってしまう」

 60歳の脚は、太さが変わらなくても筋肉量は20歳の半分。平衡(へいこう)感覚は50歳で20歳の半分に低下するという。

 【急死のリスクが20倍】

 さらに注意したいのは、中高年になると脱水になりやすいことだ。

 「年をとるほど、若い人に比べて体重当たりの水分量は少なくなります。さらに尿の濃縮力が低下して尿量が多くなるので、水分が足りていると誤解してしまう。富士登山の高齢初心者では、登山中に必要水分量の3分の1しか補給できていないというデータもあります」

 脱水に気づかないでいると熱中症や高山病を起しやすいだけでなく、血液がドロドロになるので、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクが急激に高まる。

 「山で急死する危険性は平地の20倍。その半数は心血管疾患です。狭心症(胸痛が起こる)で倒れて転落するケースもあり得ます」

 【水分補給をこまめに】

 中高年者が安全に山登りをするには、持病が十分コントロールされていることが前提。出発する際に市販のスポーツドリンクを半分に薄めて、最低2リットル以上は持っていく。日帰りでも、家に帰るまでにすべて飲みきっていることが理想だ。

 「1回の水分補給で体が吸収できるのは250ミリリットルが限界です。ザックに水筒を入れたまま、歩きながらホースで飲める用具もあるので、30分おきくらいのこまめな水分補給が重要です」

 脚にかかる負担で大きいのは、特に下り坂での膝への負担。転倒予防のためにも、下りではトレッキングポールを使用する。できればヘルメットもかぶった方がいいという。

 「山登りで使う体力は14キログラム以下の荷物でも、スポーツではジョギング、テニス、サッカー、スイミングなどに相当します。自分の体力に見合う無理のない行程を計画して、ぜひ山歩きを楽しんでください」

 《山歩きの水分補給ポイント》
★水と電解質を同時に取れるスポーツドリンクを半分に薄めて最低1日2L以上持参
★1回の給水で体が吸収できるのは最大でも250ml
★30分おきくらいにこまめに飲む
★必要な水分量(ml)
 =体重(kg)登山時間(h)5ml

医療法人社団 藤寿会 佐藤病院

(東京都指定二次救急医療機関)

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